今年の秋のイチョウ染め
街路樹として植えてあるイチョウ、くさい銀杏爆弾の後には、黄色くなった葉がもっさもっさと落ちてくる、すごく落ちている…。これ、何かに使えそう。ということで、なんとなく染物に使ってみることに。先に言っておくと、いくつか失敗したことがあった。そこは補足を入れながら説明します。専門用語も一緒に書いておくので、詳しくやりたい人は更に調べながらやってみてほしい。
いるもの
○イチョウの葉…黄色く、枯れていないもの。染める物の重さの同量〜3倍くらい。濃く染めたければ大量に。
○鍋…染めるものがちゃんと浸るくらいのサイズ。
○染める物…今回は白いシルク糸を使用。ストールなんかもいいと思う。「シルク、綿、麻」以外の生地の場合は、今回の方法とは異なります。
○焼きミョウバン…薬局などで手に入ります。染める物の重さの約5%の量。
○重曹…薬局で手に入ります。スプーン一杯くらい。なくても大丈夫。
これだけ。
つくり方
1、「こっそりかつ大胆に拾う」
深夜の公園でかなり怪しかったと思う。汚れていなくて黄々としたのをかき集めた。今考えれば、昼間の方が色がよく見えて良かったなと思う。怪しまれないように、堂々とかき集めてください。公共の街路樹や公園の落ち葉は柿や銀杏の実と違って、特に利用価値がないということで、法律的にもとやかく言われないらしい。
2、糸をほどいて洗う
買ったばかりの糸やストールは、ヨゴレ防止のコーティングがされている、これを中性洗剤で洗って落としておきます。糸の場合はほどいて大きな輪にする。そうしないと中の方が染まらない。これを怠ったのが初めに書いた失敗です。
糸をほどく時は、椅子を使う方法があります。絡まないように少しずつ結ぶことを”あみそ”と言います。
”あみそ”。3〜4箇所作る。
(ほどいて大きな輪にしたものを”綛(かせ)”と呼び、この洗う作業を”精錬”と呼ぶようです。後から知りました。)
3、植物を煮る
水に植物を入れ、20分煮ます。重曹をスプーン1さじ入れることで、色がよく出ます。葉っぱをハサミで適当にカットして色が出やすいようにし、生ゴミネットに入れると後が楽。
コーヒーのような色の汁が出来上がる。
(これを染液と呼びます。)
4、染色する
60〜80℃くらいの温度の染め液に、布や糸を入れる。かき混ぜながら20〜30分くらい煮る。
その後軽く水洗いします。
5、色の定着を良くする(媒染)
このままでは染めた色がすぐ薄れてしまうので、色の発色を良くし、定着させます。
鍋に染める物の20〜30倍のぬるま湯を入れ、ミョウバンを溶かし、染めたものを入れて、約80度で20〜30分、ゆっくりと軽くかき混ぜて下さい。
(この液を媒染液と呼び、この作業の事を、媒染と呼ぶそうです。繊維と色素がミョウバン(アルミ系)のおかげで上手い事結びつくそうです。)
6、洗剤などで色が出てこないくらい洗ったら完成。
これが
イチョウの金色に…!
※これは糸をほどいた”かせ”を作らずやったので、内側が全然染まっていませんでした…
7、もし色が薄いなと感じたら4→5→6を繰り返してみてください。
いかがでしょうか??
季節は、見たり、匂いを嗅いだり、食べたりして楽しむのが普通ですが、こんなふうに、その年の植物で何かを染めるのもなんだか良くないですか?
例えば、出来上がった糸を使って、刺繍をしてみたり。
染めたストールと、季節の食材と交換してもらったり。
ちなみに、ほとんどの植物は煮出して染め液にする事ができるそうです。
気になった方は色々研究してみてください。