見た目も香りも可憐なシロップ
春の土手などでニオイスミレを見つける
だんだんとあたたかくなり春を感じるころ、足元がにぎやかに色づく中に小さな紫色の花をみつける。スミレだ。スミレといえば砂糖漬けやキャンディが有名だけど、このスミレで見た目も香りも可憐なシロップを作る事ができる。
(ヨーロッパでは花の香りのシロップは一般的に好まれている)
スミレが花を咲かすのは3月から5月頃、河原の土手や斜面に群生していることが多いので、犬の散歩コースではないか気をつけながら、散歩がてら探しに行こう。
シロップに使うスミレはニオイスミレという香りのするスミレで作る。ニオイスミレの特徴は、深い紫色であり、花が小さめで、強い香りがあるということ(咲き始めがいちばん強い)。花の大きいスミレや色の薄いスミレはあまり香りがしないのでシロップ作りには向かない。見つけたら花の部分だけそっと優しく摘み取る。根や種には毒成分が含まれているので気をつけること(口にしなければ大丈夫)。
いるもの
○ニオイスミレの花弁 (20g)
○水 (200g)
○砂糖 水と同量 (200g)
○レモン果汁
○保存瓶
(カッコ内は作りやすい分量 ふつうのジャム瓶ひとつ分くらい)
つくり方
①花弁を冷水でやさしく洗い、草などの不純物を取り除き、キッチンペーパーなどで水気を軽くふきとり、水を沸騰させる。
②瓶の中に花弁を入れ、その中に沸騰させた湯を入れ、レモン果汁を大さじ1~3杯お好みで入れる。お湯を入れると水が青くなるが、レモン果汁を入れることにより綺麗な紫色に変わる。多く入れるほどピンクっぽくなる。
③フタをして冷まし、1日置く
④1日経ったら花弁を取り除いて鍋にあけ、砂糖を加え、それが溶けるまでとろ火で加熱する。(砂糖と水を同量にすることで1ヶ月保存が効くようになる。)火にかけすぎると香りまで飛んでしまうので気をつける。この間に瓶を煮沸する。
⑤砂糖が溶けきったらすぐ火を消し、煮沸した瓶などにシロップを移し冷ます。1ヶ月を目安に使い切る。
香りを楽しむ
スミレのキャンディもとっても好きなんだけど、シロップは自由度がもっと高い。
炭酸水で割って飲むと、その香りにふわふわと不思議な余韻が残る。可憐な香りのようであり、なんだか妖しく惑わせるような魔女のつくった飲み物のようでもある。この不思議なシロップはお湯割りにしても、お酒に垂らしてもいいし、ゼリーにしたりアイスクリームにかけてもいいし、その色を生かしてお菓子のデコレーションにしてもいい。ともかく、春がやってきたことに乾杯!